福岡エリアマーケティング

祇園町のエリアマーケティング

これからの盛り上がりが期待できる祇園町エリアについてご紹介します。

【祇園町の基本情報】

祇園町全体図
南北は祇園大通りから国体道路まで直線距離で約300m、東西は大博通りからキャナルシティとイーストビルの間の通りまで約450mのエリアです。


【祇園町ってどんなところ?】

博多駅、キャナルシティ博多、中州川端、と博多の重要な商業地区に囲まれていますが、エリア中心に寺院があり博多の中心部としては商業地面積比率が少なめで、この寺院があるため川端エリアのように昔ながらの博多の歴史を残したエリアです。

祇園大通りには博多警察署、商工会議所や博多区役所やなどの公共施設があり、天神博多地区のオフィスエリアに地下鉄一本でいける交通アクセスのよさもあり、昔から大通り沿いはオフィスが多くビジネス街として発展してきましたが、2011年のキャナルシティ博多イーストビル開業により、キャナルシティ全体の来場者数が順調に伸びていて(2015年度は過去最高の約1648万人を記録)、それに伴い周辺に物販店が増え、商業範囲が広がってきています。


【祇園町の交通アクセス】

祇園町エリア東端に地下鉄空港線「祇園駅」(一日乗降者数約11,000人)があり、祇園町・博多駅前1・2丁目北部の周辺オフィスの利用者が多く、地下鉄祇園駅から博多駅まで続く大博通り地下通路と駐輪場があり、姪浜・西新方面から博多駅前1・2丁目のオフィスへ行く場合は祇園町で降りてこの地下通路を利用している方が多いです。
また、平成32年度開業予定の地下鉄七隈線「中間駅」により、六本松、福大方面へのアクセスも向上します。
西鉄バスの本数もかなり多く、祇園町の停留所は大博通り側と国体道路側と2つあり、乗り換えとして利用されることもあります。


【祇園町の人通りについて】

下の地図では祇園町の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
祇園町歩行者数
・キャナルシティ博多の周辺
この周辺に特に人通りが集中しています。
キャナルシティ博多周辺では買い物客や観劇に来る人の他に、グランドハイアットやワシントンホテルが外国人観光客の団体客が宿泊することが多く、イーストビルには大型バスの駐車場も完備しているため、周辺には商業的な意味合いで質の高い人通りが見込めます。
また地下鉄の中間駅の開業を控え、当然ながら今以上にキャナルシティ博多周辺の人通りは増加すると見込んでいます。
ただし、現在のはかた駅前通りは現在地下鉄駅建設の工事により道路幅員が制限されている関係から(期間限定的ではありますが)人通りが大きく減少しています。

・瓦町通り
個性的な飲食店が立ち並び平日夕方から夜にかけてサラリーマンの人通りが多いです。
どちらかというと馴染みのお客をターゲットとしたお店が多いので人通りはそこまで高くありませんが、祇園エリア自体の今後の発展性と新駅の将来性を考えると、3~5年後には瓦町通りに出店する飲食店も変化し今とは違う路地になっていると思います。

・国体道路沿い
中洲新橋周辺と北の祇園駅周辺に人通りがあります。
中洲新橋周辺には昼夜問わず人通りがあり、祇園駅周辺はお昼時の人通りが特に多いです。
中間地点は歩行者よりもバスに乗る人が多いため、人通りは乏しい印象があります。

・祇園エリア北東側のパチンコGION1・1裏の裏路地
・祇園大通り
お昼時にはサラリーマンがランチを求めて広く徘徊しています。
飲食店が少ない博多駅前1丁目エリアやキャナルシティ内のビジネスセンタービルからわざわざ行く人もいるほど、ランチ需要が高いエリアです。
夜には飲み屋需要もある場所ですが、通勤者が多いため深夜までの営業には耐えられないでしょう。
会社の同僚とランチに行くなど口コミでお店が知れ渡りやすいため、見た目には人が通らなそうな狭い道にも歩行者がいるので侮れません。


【祇園町の狙い目】

キャナルシティ周辺は人通りが非常に多いですが賃料が高く物件もあかないため、オープンカフェなどの業態でない限りはこの周辺で出店することは物理的に難しいと思います。

この点を踏まえて現実的に出店を検討できる狙い目の場所は以下の3つとなります。
(1)祇園エリア北東側のパチンコGION1・1さん周辺の裏路地
(2)祇園大通り
(3)瓦町通り

(1)(2)は平日の昼~夜型の立地でオフィスに努めるビジネスマン狙いなので、日曜日を定休日とするお店が多いです。
ビジネスマン需要を得られる立地であることからランチ系の有名店が多く、「博多一双」「長浜ナンバーワン」「うどん平」「鉄なべ」などの人気店があります。
どんなにわかりにくい路地にある店舗でもお昼には満席になるほどランチ需要が強い場所です。
ランチが強い分夜の需要ももちろんありますが、深夜までの需要は見込めず22時~23時くらいまでの営業とする店舗が多いようです。
また、裏通りの路面店なら坪あたり家賃を抑えることができます。

(3)の瓦町通りは夜~深夜側の立地です。
全長100メートル程の下町の昔ながらの飲み屋通りで、中洲が近いこともあって西中洲や春吉に似た深夜営業の飲食店が多いです。
地下鉄駅の新設を控えており、福岡の中でも伸びしろを大きく残した路地です。
キャナルシティ周辺の観光客、ビジネスマン、中州の飲み客など高客単価の集客ができます。

上記の3つが基本的な狙い目となりますが、祇園町は博多部の中心に位置することでエリアを囲む四方に強力な商業地区が広がっていて幅広い人が集まるエリアです。
そのため、いろいろな店の業態を受けいれる人の数と種類があるエリアですから、今、出店エリアとして検討されていない方も考えてみてはいかがでしょうか?


ここで、皆様の参考になりそうな祇園町地区で人気のお店をご紹介します。
・華味鳥 祇園店
・長浜ナンバーワン 祇園店
・博多祇園鉄なべ
・お好み焼き むらしま
・セ・トレポン
・もつ料理かわ乃 博多店
・英二楼
・寿司割烹ひびき博多
・豚のまんま
・うま馬 祇園店
・鍋処いずみ田 祇園店
・楽がき

ここでいくつかお店をご紹介いたします。

『英二楼』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40028991/
Facebookページ↓
https://www.facebook.com/eijiroufukuoka/
福岡市博多区祇園町6-35-1F

こちらははかた駅前通りから国体道路に抜ける脇道の瓦町通りの真ん中にあり、ふぐをはじめとした魚が描かれた青い看板とししおどし、和傘が目印の和食店です。
お値段が張るイメージが強い虎ふぐの会席フルコースが4500円(税抜)~とかなりリーズナブルで、九州産をメインとした活イカや活魚をサイズに応じて値段を明記したお造りを提供していたり、人気の白子の「白子チーズ春巻き揚げ」や「白子チーズの茶碗蒸し」といった他のふぐ料理店ではあまりお目にかからない創作料理があったりと通りからの視認性が良くない分、しっかりとした他店との差別化をはかっています。
昨年改装して、檜を使用し白を基調とした全席掘り炬燵の高級感のある店内でカウンターと通路側を暖簾で目隠しした造りの半個室のテーブル席があり、“ふぐが安いお店”というだけのカテゴリーでも差別化することができています。
“ふぐ料理を出している居酒屋”というわけではなく、“居酒屋メニューもあるふぐ料理店”というスタンスを保ちつつ、お客様の要望に応えて洋食メニューを作ったり、ふぐ刺しの厚みをかえたり、より喜んでいただこうという気持ちが見える柔軟性があるお店になっています。
気軽に飲みに行けるふぐ料理店というある意味ふぐ料理店の新しいかたちをつくったのではないでしょうか。


『豚のまんま』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40004212/
福岡市博多区祇園町4-10 (博多警察署前)

キャナルシティイーストビルから祇園大通り沿いに祇園駅へ向かって歩いていくと博多警察署にわたる横断歩道のすぐ目の前に赤ちょうちんと木目に豚のマークがついた看板が目印の「豚のまんま」があります。
店名の通り「豚」メインのお店なのですが、お茶の葉とさつま芋を飼料として育てられたJA鹿児島産のブランド豚「茶美豚」を使用しており、肉質が柔らかく赤身にコクがあり、脂身はすっきりとあまいのが特徴で、“博多といえば”で連想されるとんこつスープをふんだんに使い茶美豚で作った餃子を炊き込んだ「とんこつ炊き餃子」やとんこつスープにたっぷりの白髪葱入れ、茶美豚をしゃぶしゃぶする「とんこつ葱しゃぶ」などのとんこつを使用した創作料理が斬新で人気です。

特にこちらのお店で人気なものはランチメニューで出している「炭焼豚重」で、極上の茶美豚ロースを備長炭で炙ったものを重箱にひいたご飯に載せた豪華版ぶた丼といった感じの一品です。
塩ダレか秘伝のタレを選択でき、茶美豚の持ち味であるやわらかさが存分に楽しめるためおいしさに感激する人も多く、一緒についてくる特製豚味噌もごはんが進むと好評です。
また重箱に入っている見た目の豪華さで値段が780円のため、普通の豚丼の見た目で同じ値段の時はいくらいい豚肉でも“高い”と思ってしまいそうですが、重箱=高級のイメージをもちやすいからか780円が安く感じると思います。
毎日どこかでランチを食べるのは間違いないですし、オフィスワーカーの場合そんなに遠くまでいけないことが多いためリピーターになる確率が高いのに、“美味しいけれど高い”と思われてしまってはリピート率が下がってしまいます。
器が持つイメージを利用して同じ値段でもお得感をだすことやメニューも味付けが違うだけでこの豚重だけのため、ピーク時にはあらかじめ多く焼いておくことで提供スピードを早くでき接客面でも評価が高くなります。
メニュー数が少ない利点はそれ以外にも使用する食材の数が少ないためロスもでにくく、売り切れ以外の欠品による売り損ねやお客側を残念がらせることがないため、全体的に満足度があがることが挙げられます。


【最後に…】

いかがでしたでしょうか。キャナルシティやグランドハイアットができて、キャナルシティイーストビルができると同時に周辺にはたくさんのビジネスホテルができ、数年後には地下鉄七隈線の新しい駅ができる進化を続けている祇園町をご紹介してきましたが、天神・博多のどちらもバスや地下鉄ですぐ行ける交通の便のよさと新しいマンションも建てられていることからこれまでパッとしなかった北東側のエリアも変化がみられるようになってくると思います。
祇園町を拠点とする人が増えてくるとディナータイムの需要も多くなってくることは容易に想像できます。
また、中洲も近いため同伴客向けにできるオシャレなお店や接待に利用できる高級店も広告を工夫すれば十分営業可能ですし、ご紹介した『豚のまんま』のように、福岡名物のものでも、ちょっと変えることによって“福岡らしいけれど新しいもの”という分野の料理を一品でも置くだけで話題にのぼりやすくなるのではないでしょうか。
お店をご紹介したどちらも経験を積んで、考えて、こだわって作った料理を楽しんでもらうということに関して参考になるところはたくさんあるお店だと思いますので、是非研究してみてください。