福岡エリアマーケティング

白金のエリアマーケティング

【白金の基本情報】

白金全体図
南北は百年橋通りから薬院駅まで直線距離で約900m、東西は渡辺通2丁目交差点-那の川2丁目交差点から城東橋交差点‐大宮2丁目交差点までの直線距離約300mのエリアで、地図でわかるように非常にわかりやすい区画分けとなっています。


【白金ってどんなところ?】

薬院の隣に位置していて、オフィスと居住マンションと飲食店が混在するエリアです。
エリアの最寄駅の薬院駅は西鉄、地下鉄七隈線の2つの路線を有していて交通の利便性を大きく向上させる役割を持っています。

この薬院駅による交通利便性によって、付近には企業のオフィスが多いエリアとなっています。
このオフィス集積によるエリア付近の就労人数の多さが、白金の飲食店の集客の重要な源泉のひとつになっていることは間違いないです。

企業オフィスは薬院駅周辺、城南線沿い、渡辺通沿いに多く分布していますから、本エリアでの出店の際にはこのオフィス街を意識して集客の戦略を練る必要があると思います。

天神に比べると全体の店舗数は少なく、個人経営の飲食店が多い立地ですが、これはチェーン店よりもこのエリア独自の個人の専門店の方が生き残りやすい特徴があることを裏付けていると言えます。
個人の新規開業の方にとっては天神ほど競争が激しくなく、勝負しやすい立地であると言えます。

ワンルームマンションが多いことも特徴で単身者が多い立地で、単身者の方は夜の食事を外食で済ませることが多いため、この点も飲食店にとっては良い環境と言えます。
付近の飲食店には20代~30代くらいの一人来店の方を多く見ることができます。


【白金の交通アクセス】

最寄り駅は、1丁目は薬院駅、2丁目は平尾駅となりますが、平尾から薬院までは歩いても10~15分程度で着くため、職場や学校の立地によって利用駅は変わってくると思います。

白金全体として福岡市の重要駅「薬院駅」への近さが本エリアの交通利便性の源泉です。
将来的に薬院駅から博多駅まで直通路線が完成しますが、こうなるとより一層本エリアの価値は高まるでしょう。
この交通利便性の高さがあるために、学生、社会人単身者の比率が高いエリアとなっていてファミリー層は少し比率が落ちます。

今後はこれまでのような「どこにでも行きやすい薬院白金」というものから「天神のように人の来訪を受け入れる街」になっていき、より一層の商業地化が進んでいくことが予想できます。


【白金の人通りについて】

下の地図では白金の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
白金歩行者数
薬院駅とエリアを囲む大通り城南線、県道555号線(百年橋通り)に近いほど人通りは多くなります。
特に薬院駅、城南線に近いほど企業オフィスが圧倒的に多くなり人通りも終日通して多い傾向があります。

薬院駅、城南線から離れるほど住宅が増えていき、かつ薬院駅との位置の関係から、南北方向(日赤通りに平行方向)への人通りが主になります。
このため全体的に東西方向の路地には人通りが多くありません。
また、南側(百年橋通り方面)に行くほど人通りが減少します。

こういった人通りの傾向を見ながら提示される賃料の善し悪しを判断されることをおすすめします。


【白金の狙い目】

白金エリアのビジネス視点での利点と難点は以下の通りとります。

(利点)
・比較的オフィスが多いため居住人口以上の密度の高い需要がある
・地下鉄薬院駅の博多駅延伸など将来的に成長するための要素がある
・天神、博多駅に比べるとライバルが少ない

(難点)
・エリアの南側(百年橋通り付近)の方など、白金エリア内でも場所によっては明暗がはっきりと分かれる
・地域密着の営業となる場合が多く広告による集客効果が高くないことが多い

白金エリアは路面店で坪当たり賃料が約1万円程度というのが基準になっています。
薬院駅、城南線に近い立地で「坪当たり賃料が約1万円の路面店」があれば、入居を検討すべき物件であると言えるでしょう。

逆に、百年橋通り近くの南部エリアの物件だとお客様のオフィス従業者(サラリーマン)比率が下がり、付近の住民の比率が高くなります。
このため、一日に訪れる客数もそこまで多くないし、週末だからと言って客数が増えるわけでもありません。
南部エリアは、まず住宅街狙いの業態で、かつ物件が広すぎず、坪当たり賃料が約1万円を切るような内容であれば狙い目となると思います。

こういった点に注目して物件情報をご覧になられてみてはいかがでしょうか。


ここで、皆様の参考になりそうな白金地区で人気のお店をご紹介します。
・かわ屋(焼鳥)
・白金茶房(カフェ)
・八ちゃんラーメン(ラーメン)
・レックコーヒー薬院駅前店(カフェ)
・なす豚屋(とんかつ)
・銀しゃり炭焼 直球(焼肉)
・Amis(カフェ)
・赤間茶屋 あ三五(そば)
・ばってん(焼肉)
・一木庵(水炊き)
・焼肉 仙匠(焼肉)
・Patisserie Glacier A7(パティスリー)
・濱司×HAMAJI(カレー)
・白金にし田(和食)


『白金茶房』
HP↓
http://s-sabo.com/
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40035119/dtlmap/
福岡市中央区白金1丁目11‐7

薬院駅前の信号を南東の方に歩いて6つ目の交差点を右に曲がった所に『白金茶房』があります。薬院駅から歩いて8分程度の位置にある主に女性の支持が多いお店です。

路面店ですが周りは住宅地で、立地的には決して良いとは言えず、建物自体も普通の戸建のような外観をしており、目立った看板がないので通り過ぎてしまう可能性があります。

店内は木を基調とした造りで、ゆったりとした空間の中で店内に用意された書籍や雑誌などお好みの1冊を見つけて読書の時間も過ごせたり、絵本も用意されているのでお子様との時間も大事にできます。

このお店、赤い果実とマスカルポーネのパンケーキ(1,100円)、キャラメリゼしたバナナとグアナラのパンケーキ(1,200円)などの色々なメニューがあるのですが、それらを差し置いて、一番人気はシンプルな茶房特製クラシックパンケーキ(750円)です。

白金茶房のパンケーキが日本一と口コミを投稿する人もいる一品で、TAC出版「おとな旅プレミアム」という旅行ガイドブックでも紹介され、その味を求め県外からもお客様が来店するため、予約して来店される方も多いみたいです。

夜にはチキンとチーズのオーブン焼きケイジャン風(1,100円)、ジャンボソーセージとマッシュポテト(1,200円)、アボカドとスモークサーモンのエッグベネディクト(1,100円)などの夜しか味わえないお食事パンケーキやアルコール類の提供もあります。

大人のパンケーキを楽しめる、落ち着く空間を満喫されてください。


『一木庵』
食べログ↓
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40033510/
福岡市中央区白金1丁目6-24

薬院駅から徒歩8分。
薬院駅から城南線を博多駅方面へ向かうとすぐに信号「薬院駅前」があるので、その交差点を右折します(レクサスとauの間から南へ進みます)。
最初の信号を左折し少し歩くと右手に白い暖簾の一軒屋があります。

場所は分かりにくく、住宅街にひっそりと佇み昼間は存在感がありませんが、夜になると門に優しいあかりが灯ります。
まずは建物。150年前の古民家を改装しており、趣があるのです。
武家屋敷を東北から移築して、そこに増築して今の形になったそうです。

門をくぐり、アプローチを抜けると入口は二つ。
重厚な扉の方は会員制マイモン・プラチナムの入口。
水炊きがいただけるのは引き戸の方で、武家屋敷を移築したときの増築した部分なのだとか。

お店の方から丁寧に中へ通されると、洗練された、かつ居心地の良い空間。
メインの庭が見えるの席は、一階の元々茶室だった二部屋と、二階の広間。
渋く、穏やかで、食事をより一層美味しく感じさせます。

コースは6,600円で鶏の刺身、小鉢二品と鍋、〆に雑炊、フルーツです。
水炊きは、ちゃぶ台の脇で仲居さんが手際よく作って盛り付けてくれますので、何もする必要もなく会話に興じられるのが嬉しいところ。

べったり席についているわけではなく、程よいころにやってきて、お料理を取り分けてくださるのです。

鶏は山口の長州赤鶏を使っているとか。ただ丁寧に鶏の出汁をとって、余計なことをせずに本来の味を引き出すようにしているそうです。
鍋やお玉などの用具は京都 有次のもの。

先述した隣接のバー(マイモン・プラチナム)は会員制で一見さんお断りのお店ですが、水炊き予約の際に“食後にバーに行ってみたい”と言うと、予約が埋まっていなければ入れるそう。

お店の方が買い付けて活けている四季折々の生け花やお通しのフルーツ。
lockwoodのスピーカーを使用し真空管のアンプの深く素晴らしい音を楽しませてくれます。
大谷石張り、程よい照明、骨董品の数々を眺めながらいただくお酒は本当においしいのです。

マイモンは一号店が住吉にあるマイモン博多であり、その他にも中洲、西中洲、最も新しいお店はJR博多シティのくうてん9Fにありますが、会員制バーはこちらの白金のみです。

ありきたりですが、五感で味わえるのが、お値段を高く感じさせない理由と言えるでしょう。
少し高くてもここで満たされたい、ここに誰かを連れてきたいと思わせる、そんなお店です。


【最後に…】

いかがでしたでしょうか。
おそらく“薬院駅の近くの場所”という印象が強い白金ですが、意外と南北に広く、ご紹介した『白金茶房』や『一木庵』、メディアで取り上げられ有名になった『かわ屋』などの名店が数多くあります。
目に見えて人通りは多くないものの、薬院からの距離の近さや川沿いの落ち着いた雰囲気、住宅地が多いからこその戸建店舗など魅力はたくさんあります。

賃料が安いからこそマイペースな営業が可能とも言え、回転率よりもお客様の満足度や雰囲気づくりを重視したい方は一度白金あたりの物件も視野に入れてみるといいかもしれません。