福岡エリアマーケティング

博多駅中央街のエリアマーケティング

駅のリニューアルからこの6年で景色ががらっと変わった博多駅中央街についてご紹介します。


【博多駅中央街の基本情報】

博多立地
南北はヨドバシカメラから博多グリーンホテルまで直線距離で約450m、東西はヨドバシカメラからJRJPビルまで約300mのエリアで、博多駅を中心としたひと区画です。
博多駅は福岡空港と天神のちょうど中間にあり、JR、新幹線の九州最大の駅であり福岡の玄関口です。


【博多駅中央街ってどんなところ?】

住吉通り、筑紫通り、空港通り、国道385号線に囲まれた、博多駅を含む博多区の中心地となるエリアです。
かつて商業地区としては目立つエリアではありませんでしたが、ここ十数年で大きく発展しており、2002年のヨドバシカメラマルチメディア博多の開業があり、2011年には博多駅ビルのリニューアルより発展が加速しました。
それから九州新幹線の全線開通、KITTE、JRJPビルの開業により博多駅中央街の商業地区面積は過去最大となり、今や天神と二分するほどの商業エリアで、九州全域および近隣県から多くの買い物客が集まります。
また、元々オフィス街として発展していたため近隣には企業のオフィスビルが多く、ビジネスマンの姿も多く見られます。

博多駅中央街は博多駅2つの入口である西側の博多口と東側の筑紫口のエリアに分けられます。
キャナルシティ博多、中洲川端、天神の方角を向いている博多口には、KITTE、JRJPビルなどの商業施設やバスターミナルがあり、駅前広場では年間を通して様々な催事が行われます。
商業施設内の飲食店フロアには、全国展開をしている大手飲食店チェーンよりも福岡を地元とする繁盛店が多く出店していて観光客を狙った店舗選定戦略が垣間みえます。
飲食店街は連日満席に近い盛り上がりとなっていて、博多駅商業施設への出店は店舗のブランド価値の向上となるほどです。

ヨドバシカメラマルチメディア博多、福岡合同庁舎がある筑紫口には、路面の飲食店が点在していて博多口ほどの大きい商業施設がないため路面店の元気がよいエリアです。
かつてはひっそりとしていて、人通りがそこまで多くない博多駅の裏口という印象を受けるエリアでしたが、博多駅全体の成長を受けて今では福岡の中でも第1級の人通りがあります。
長い期間営業を続けられているお店も多く昔ながらの福岡を感じられます。


【博多駅中央街の交通アクセス】

博多駅では一日あたり鹿児島本線が約21万人、地下鉄空港線が12万人の人が電車を利用しています。
九州各地からのアクセスがあり鉄道以外にも大型のバスセンターを有するため福岡の中で最もアクセスのよいエリアと言えるでしょう。
中洲やキャナルシティまでも歩いて行けること、空港まで地下鉄でふた駅と距離が近いことも特徴で、将来的に地下鉄七隈線が博多駅まで延伸するため、薬院、六本松、七隈へのアクセスが向上します。
博多駅への地下鉄延伸による影響を受けているのはどちらかとういうと博多地区よりも薬院や六本松エリアで勢いよく地価が上昇しています。


【博多駅中央街の人通り】

下の地図では博多駅中央街の歩行者数の分布を色で表わしてみました。
(赤>濃ピンク>薄ピンクで歩行者数を表しています)
博多駅中央街
※今回、博多駅内の人通りは建物内ということで割愛しています。
駅内部と入口周辺に人通りが集中していて、博多駅の南北にある空港通り、筑紫通りの高架下周辺は車の交通量が多いものの、博多駅の人通りに比べると極端に少なくなるのが特徴です。
駅外の路地の人通りは、博多口側は地下通路が発達しており地下通路を利用して移動する人が多く、地上はそれほど人が歩いていない印象があります。
また、筑紫口は駅に近いホテルやビジネスビル、飲食店が多く博多口にくらべて広い範囲に隅々まで人通りがあります。


【博多駅中央街の狙い目】

博多口、筑紫口ともに物件を取得するのが最も困難なエリアです。
物件が出ること自体が稀で、物件が出たとしたら多くの方が瞬時のうちに入居申込を入れることになると思います。
それだけに家賃水準も非常に高く、高回転を前提とした業態でないと営業を続けることは難しいです。
狙い目となるのは断然筑紫口エリアです。
路地の人通りが博多口に比べて高く、商業ビルが立ち並ぶ博多口と比べて断然路面店の数も多いため路面店の営業がしやすいエリアです。



ここで、皆様の参考になりそうな博多駅中央街で人気のお店をご紹介します。
・オーグードゥジュメール
・Shin-Shin博多デイトス店
・博多の石畳
・ごはん家椒房庵
・カンティーナエルボラーチョ博多駅店
・鮨割烹 やま中
・ハカタステーション オイスターバー
・菅乃屋 JR博多シティ店
・人形町今半 JR博多シティ店
・キャンベル・アーリー
・もつ鍋おおやま 博多デイトス店
・ブラッスリーポール・ボキューズ博多
・住吉酒販 博多駅店
・長浜ナンバーワン 博多デイトス店
・博多新風 博多デイトス店
・四川飯店 アミュプラザ博多店
・うちのたまご JR博多駅構内直売所
・海鮮居酒屋 博多トク・トク 博多駅店
・長浜鮮魚卸直営店 博多魚助
・博多漁家磯貝 しらすくじら エキサイドビル店
・俺のフレンチ 博多
・牛たん炭焼 利久 博多店
・博多もつ鍋やまや


『住吉酒販 博多駅店』
HP↓
http://sumiyoshi-sake.jp/
Facebookページ↓
https://ja-jp.facebook.com/sumiyoshisyuhan/
福岡市博多区博多駅中央街1-1博多デイトス1F

博多駅内の筑紫口側、新幹線の改札の反対側に広がる博多デイトス内の一角にあるこの『住吉酒販』。
本店は名前の通り住吉神社の西側の553号線沿いの天竜池の近くにあります。
博多駅店では、九州の日本酒・焼酎・地ビールなどの他に、九州で人気の食品やおつまみ、唐津の窯元の器などが販売されており、奥の10人ほど入れる角打ちコーナーでお試しもできます。
角打ちコーナーは最初に3000円分の花札を10枚もらい、メニューは金額ではなく花札の枚数で注文ごとに花札を回収するシステムで、お会計は残った花札から算出するようになっています。
各角にイ・ロ・ハ・ニと書かれた大き目の升におちょこを4つ入れ、1つずつ違う銘柄の日本酒を入れて4種類をちょっとずつ楽しめる“お試しセット”があり、そのお酒に合うおつまみをスタッフが紹介してくれます。
スーパーや百貨店の試食試飲とは異なり、角打ちとすることで客側は“お試し”の感覚であっても店側は売り上げを確保することもでき、角打ちにくるということはある程度飲みたい気分であることも予測できます。
つまりは、店内にいる時間が試飲に比べると断然長くなり、その間スタッフとそのお酒について話すこともでき、しっかりとお酒のことを理解しているからこそ合うおつまみをオススメしてもらえるため、旅行者や手土産を選ぶ際に失敗しにくい安心感もあり、お店とお客様の間で信頼感が生まれるのではないでしょうか。
九州内のいろいろなところでのイベントに参加したり、ソラリアプラザのDEAN&DELUCAで角打ちイベントをしたり、と精力的に動いており、福岡の酒屋の中では勢いがあるお店です。
HP内の“住吉酒販とは”には、「酒屋とは何か」という観点で想いがつづられていますが、この内容は酒屋だけでなく飲食店をされる皆様にも共通するものがあると思います。
また銘柄一覧ではたくさんの酒造メーカーやおつまみのメーカーを紹介されているので、お店に置くお酒やおつまみ、調味料の参考になると思います。 是非HPをご覧ください。


『博多もつ鍋やまや』
HP↓
http://www.y-shokukobo.com/
福岡市博多区博多駅中央街1-1

明太子のメーカー「やまや」はご存知の方が多いと思いますが、そのやまやのもつ鍋屋さんがヨドバシカメラ向かいの高架下飲食店街にひっそりとあります。
全国展開しているので、行かれたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と九州地区には博多店のみしかありません。
こちらはランチタイムにやまやの明太子・からし高菜・ごはんが食べ放題というなんとも太っ腹なサービスがあり、人気を集めています。
また、明太子だけではなくもつ鍋のだしにあごだしを使用したり、飲食店ではあまりみかけないがめ煮(筑前煮)があったり馬刺しやチキン南蛮があったりと“博多の”“福岡の”“九州の”食材をふんだんに盛り込み、九州の食べ物を楽しみやすいようになっています。
明太子の食べ放題はメーカーだからできる事ですが、それ以外でも明太子のメーカーのお店だから明太子しかないわけではなく、昔ながらの九州の文化の発信をしてくれているお店の代表といっても過言ではないのかもしれません。


【最後に…】

いかがでしたでしょうか。福岡の玄関口、目に見えて進化し続けている博多駅中央街についてご紹介してまいりましたが、博多の飲食店を見ていて他のエリアに比べて多い表記が“九州の食材を使用した”という言葉です。
博多だけでなく、その他のエリアにも九州産にこだわって食材を仕入れているお店は数多くあります。
しかし、観光客や出張者が利用することが多い博多駅の飲食店街に求められるのは、流行りや全国的知名度よりも“九州の地場の人気店”、“九州の食材を美味しく食べさせてくれるお店”ではないでしょうか。
その代表として挙げられるのは、昨年オープンしたJRJPビルの地下1Fにある「駅から三百歩横丁」。全国的にはまだ知られていないお店がほとんどですが、焼き鳥、うどん、地鶏、魚介、もつ鍋、一口餃子、ラーメン…と福岡を代表する名店が出店しています。
横丁というカジュアルな名前の通り、地元の人たちも楽しめるフードコートのような造りになっており、観光客は普段博多の人たちがわいわい食事している感覚を味わうことができます。
駅ビルや観光地にありがちな相場より割高な“観光客価格”ということもなく、博多駅付近で勤める人たちの憩いの場にもなっています。

そしてもう一つ多かったことが“オススメしてくれるお酒のおかけで食事がぐっとよくなった”という口コミでした。
これは付加価値として顧客満足度としてとても重要なことなのですが、料理にはこだわっているがお酒との相性を考えられてないところがあるのではないか、まだまだ研究の余地があるのではないかと思っています。
接客面でも迷っている方に“このお料理にはこの銘柄が合いますよ”や“このお酒はあっさりして飲みやすいですよ”などソムリエみたいに深い知識がなくても、甘い・辛い・さっぱり・濃いなどざっくりとした一言あるだけでも好感度があがりますし、最初からメニューにわかりやすい説明書きをプラスしてもいいのではないでしょうか。
特に博多駅や西通り沿いなど超好立地物件では客単価を少しでも高くし、それを納得してもらう努力が必要になります。
その一つとして銘柄に頼りがちな、お酒のラインナップを少し見直してみてもいいかもしれませんね。